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― 「近所の店から販路を開拓」、売上好調でセールスレップで生きる―


 原敦子さんがセールスレッ プ業を始めて3年が経った。

   主に『オルゾ』 というイタリア産の穀物と飲料、その関連レシピー開発商品などを扱っている。
 「もともと、保険会代理店をやっていました。ある時、私が参加していたNPOの交流会で日本セールスレップ協会の小塩会長と知り合ったのです。」

 販売が得意ならセールスレップをやったらどうかと薦められまして、やることに したのです。小塩会長さんのツテで『オルゾ』も紹介してもらいました 。 

 原さんはイタリアでシェフ を営む弟を持つ。弟から『オルゾ』の知識を仕入れて、まずは自分がよく行く近所のイ タリアンレストランに販売をかけた。

 イ タリアンレストランは『オルゾ』を知っていたようで、割と簡単に契約できま した。『オルゾ』の原料を練 りこんだパンも開発して販売 してくれるということになったのです。

 「そのレストランは 大手デパートの物産展などに出店していました。レストラン担当者からの紹介で伊勢丹のバイヤーと知り合いまして、卸すことになりました」 。
 他の開拓先も近所のお店やそこからの紹介で拡げていったものだという(月間ビジネスチャンス8月号掲載)。

 隣 のパン屋さんから『オルゾ』の販売をはじめて、「WEBショップなんかにも卸していますよ。開拓先が物産展に出店するというのでお手伝いをしていたのです。『オルゾ』の販路開拓は完全成果報酬で請け負っており、 その販売額の手数料が原さんの収入となる。現在、原さんは『オルゾ』関連がメインであるが、JSRセールスレップ協同組合から紹介されたメーカー2社の売上も好調で3社とセールスレップ契約を結び、安定した収入を確保している。
「いまは、仕事が満杯で、これ以上のセールスレップ契約はできない」という状況とのことだ。

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  原敦子さんは、JSRA販路コーディネータ1級資格を持つ、セールスレップだ。日本経済新聞の生活ウーマン欄にも取り上げられた。 

 セールスレップ(販売代理人) 米国流の販売手法で、企業の商品・サービ販売を代行する販売員 を目指す「ワーキングウーマン」が出てきた。 企業を飛び出し、組織の論理にとらわれず最前線の販売現場で顧客と末永く 接することを選んだ人たちだ。きめ細かい提案で実績を積んで、契約先の企業 の信頼を獲得したケースもある。仕書・家庭の両立が図りやすいのも魅力だという。

 企業では一口に販売といっても、新規顧の外回りを続けるものから、内勤としで 既存顧客に対応するものまでさまざま。 
 日本セールスレップ協会(東京・北区)の認定資格を持つ原敦子さん(49)も、 保険販売からの転職。三人の子育てをしながら働き続けることを考え、レップと いう働き方に行き着いた。

 「企業の販売は長時間拘束されるが、レップは自分で 予定を立てて動くことができる。子育てに重心を置きたい女性にむいているのでは」 と指摘する。   

 原さんは、埼玉県内のイタリア料理店で無料試飲会を実施。好評だったため、その店に併設されているパン販売店に常設されることになった。そこで原さんはオルゾを 練り込んだパンの開発も提案、商品化につなげオルゾの売上高アップに寄与した。 レップの評価は販路拡大という結果がすべてともいえるだけに輸入代理店は「原さんには当社の他の食品も担当して欲しい」とその手腕を評価している。  

 原さんのように、熟練のセールストークや企画力を持つ販売経験者が目立つが、 最近はセールスレップ資格の認知度が上がっている。セールスレップ協会の主催する商材商談会 では、興味を持った主婦など一般の女性の姿が見えるようになった。認定資格を持つ女性も多くなり、日本セールスレップ協会も女性活用に積極的だ。

 自分を磨く機会  独立販売職の動向に詳しい販売コンサルタントの和田裕美さんは「やわらかな物腰や自分のいいと思ったものを伝えるクチコミ化など、販売は女性にむいている部分が ある。」とみている。 レップはノルマにとらわれず、生活者として納得がいく商品を消費者に訴求できる 側面がある。「新商品に出合い、不特定多数の顧客とかかわることで自分を磨く機会 にもなる」。 和田さんは女性レップの広がりにエールを送っている(日本経済新聞)。

日本経済新聞(2006年6月15日掲載・夕刊から抜粋)


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